C級1組 第9節

どうもShimaです。
「順位戦C級ウォッチング」第十一回ということで▲阪口悟五段△近藤正和六段の対局を紹介します。

近藤正和六段はご存知ゴキゲン中飛車の生みの親として有名ですが、
対する阪口五段も中飛車のエキスパートとして有名です。
著書「ワンパク中飛車」は現在の先手中飛車の礎ともいうべき内容が記されています。

そんな二人の対局は相中飛車・・・とはならず、
阪口五段が石田流を目指したところで角交換~お互い馬を作る力戦形になりました。

第1図

図は駒組みが一段落したところ。
先手が一歩得していますが、後手の駒組みの方が伸び伸びしているので釣り合いは取れています。

むしろこの局面、後手には△7一玉~△8二玉や△9六歩~△9八歩など指したい手があるのに対し、
先手には短期的に大きなプラスになる手に乏しくやや忙しい意味がありそうです。
そこで先手の次の一手は▲3五歩!

第2図

思い切った打開で驚きました。
△3六歩が見えていますが、後に▲3四歩~▲3三歩成となれば銀を引かせることができ、
その間に中央にて厚みで勝負しようという意図があるように思われます。

以下△3六歩▲3四歩△3七歩成▲同金△4五桂打!

第3図

▲3三歩成△3七桂成▲同金△6五歩!▲5五歩!

第4図

△同銀▲同銀△同馬▲4三と
と凄まじい殴り合いに突入します。
後手もと金を放置しておくのはかなり怖いところですが、
相手の言い分を通さないことがより大事だということなのでしょう。
私なんかはまず受けることから考えてしまいますが。。。

第5図

更に数手進んだこの局面も、△5一歩と受けるかと思いきや、
△5六歩▲同銀△同馬▲6四桂!とやはり攻め合います。
ここまで来たら最早お互い歯止めが効かない状況なのでしょうね。

この後も激しい殴り合いが続きますが、最後に制したのは後手の近藤六段でした。
迫力のある攻め合いが全面的に展開された好局だったと思います。

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