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団体戦参加記2020

どうもしまちゃんです。年明けから全くいいことがありません。

・1月2日 階段で足を滑らせ足首を捻挫
・1月中旬 定期をなくす
・1月下旬 今年最初の大会。優勝者、3位者と同ブロックに投げ込まれ予選落ち。

あーひどい。ちなみにこの後大会が続き、最大で5週連続という鬼スケジュール。
そんなさなか、2月2日に第26回中国将棋団体対抗戦に出てきましたのでその話を。
なお一緒に参加した亀井さんのレポはこちら。

団体戦 : 狼将棋のブログ
http://ookami-shogi.blog.jp/archives/1076999304.html

【前日・広島将棋センター】
トーナメントの日とのことでそちらに参加。
結果は優勝でしたが、決勝は内容ボロ負けで二歩を打ってもらったというもの。

その決勝の将棋。ネットでも何度も指されている仕掛けですが、許しちゃまずいんですかね。
嫌なら先に銀上がればいいだけなんですが、そんなに悪いとも思えないんですよね。

この後長旅でお疲れの亀井さんとも一局。こちらは平和に千日手でした。

【前夜祭ダイジェスト】
たま「あれとこれと、あと#%ほーれん(聞き取れない)は頼むとして。」
もみ「ですねー。」
しま(ほーれん?九蓮宝燈の仲間かなんかか?)

→「うにほーれん」
ケンミンショーでも取り上げられたそうですが、僕は初めて知りました。

たま「バターで炒めれば大抵のものはうまい。」


しま「めっちゃ突然に思い出したけど、将棋で地名の付く戦型ってあるやん。」
もみ「鷺宮定跡みたいな?」
しま「そうそう。それで青森流という指し方があるな。」
かめ「えっ!?」

これ。誰だったかプロ棋士が青森の指導対局で指されたのが由来だそう。
代えて▲2六歩が多数派ですが、どうせ5筋を交換されるのであれば先に備えてしまおうということ。
以下5七の銀の活用が難しいことを主張すべく△4四歩~△4三銀と雁木に組み替えて一局。
一時期プロでもそこそこ指されましたが、さすがに最近は見ませんね。

しま「しかしググっても全然出てこんな。これでは僕が嘘を言っていてもわからん。」


たま「今日はどうしてたの。」
きど「宮島行ってー、あーしてー、こーしてー。」
たま「あれ明日は大会の間彼女どうするの。」
きど「チェックアウト遅くしてて、あとは一人でカフェ巡ったりするらしい。」
しま「大丈夫かよそれ。広島から実家に帰りましたなんてのは勘弁してくれ。」

→大丈夫でした。

【大会当日】
主催「この大会だけに出られる年配の方もたくさんいます。今年当たって来年は相手の方がもういない、ということが無いよう皆様マスクの着用を。」
しま「めちゃくちゃ言いよるな。」

→例年こんな感じらしい。

・1局目
僕先手。なので亀井さんは後手。
先手システムの駒組みから相手が左美濃~△2一玉~ミレニアム風に組み換え。
ねじり合いで色々我慢して頑張ってたら良くなってました。勝ち。

・2局目
僕後手。3手目▲6六歩に△3二飛の相振り。
ここ数年見かけるようになった△4五銀と出る将棋をやってみたものの、戦法のココロを理解しておらず中盤で圧死。
相振りは最近の課題で帰ってからもひたすら考えていますが、とりあえずこの指し方は当面やりません。

・3局目
僕後手。四間飛車対トーチカ。
仕掛けははっきり振り飛車良し、その後紆余曲折を経て下図。

さすがにここは優勢だと思い決め手を探したものの案外見つからない。
時間が無くなってきたので、無理を承知で第一感の△7七桂から寄せに行くも、無理攻めで切れ。
後に感想戦でやった順も攻め切れず、案外寄せるのは難しかったということに。

正解は△8二玉。
全く考えなかったという手ではないだけに悔やまれるところ。

・4局目
僕後手。対筋違い角。

完全にうっかりしていて固まりましたが、運良くいい感じの返しがありました。
7手考えてみてください。答えは最後。

・5局目
僕後手。先手中飛車に相振り。
なんでもない中盤に相手の銀がお亡くなりになられる事件が発生。
あまりに突然のことで「あっ、歩が突ける…」と思わず。その節は大変失礼しました。

・結果発表
ではない。
個人3-2で不満の残る内容。特に3局目は勝ちたかったなあ。
でも楽しかったからOKです。

皆でいろいろお話するなどして、最後にきっどちゃんのジョカノと顔合わせ。
後に長谷川優貴女流と伊藤詩織氏を足して2で割った雰囲気と評したものの、これといった同意は得られず。
もみちゃんがめっちゃ羨ましそうにしてたのが印象的でありました。

さて次回は東北開催とのことですが、なんとか青森でやりたいですね。
僕としては何としても青森に行きたいので個人戦でも構わんのですが、「もはや趣旨が変わっている」と突っ込みを頂戴しました。
そんなわけで皆様ありがとうございました。またお会いしましょう。

【でもって】
広島遠征が終わってもしまちゃんの連戦は続く…

2月9日  大会3週目。シニア強豪の方と200手ぐらいやって負け。
2月15日 大会4週目。元学生強豪の方に勝って地区代表獲得。

ということで今年に入ってようやく少しはいいことがありました。
ちなみにこの翌週にも大会と運営が予定されていましたが、昨今のコロナの影響で取りやめ。
ほんとイベント中止ばっかりですね。ギリギリのタイミングで大会出られてよかった。

【4局目の答え】
△8二飛▲6三角成△9四角▲5八金上△6二金▲9六馬△6四歩

王手で角が打てるので銀挟みになります。
2局連続で銀挟みとは珍しいこともあったものですねえ。

移転

今まで使わせていただいていたレンタルサーバーがサービスを終了するとのことで、諸々の都合もあり移転しました。ドメインが変わっていないので特に何かが変わるというわけではありませんが、何かしらおかしな点があれば言っていただけると幸いです。

もののついででトップページからかつてのリーグ戦関連の項目を削除。棋譜投稿掲示板なんかは完全にスパムの巣窟になってたのでやむなしでしょうか。思えばサイトを触るのも10年ぶりぐらいかもしれません。そもそも皆チャット部屋を直接ブックマークしているのでこのサイトを続けている意味はもはや殆ど無いのですが、こうして何かの折に生存報告ができるのも良いことではないかという気がしています。

大会参戦記(しまちゃん編)

狼将棋の亀井さん、藤本さんと団体戦に出てきました。

大会参戦記 : 狼将棋のブログ
http://ookami-shogi.blog.jp/archives/1073230381.html

大会参加の経緯や戦績などについては亀井さんがすでにレポートされています。ここでは僕の将棋をはじめ、上記記事で触れられていない部分を記していきます。

・1局目
後手番で△四間飛車▲ミレニアム。
対四間飛車でトーチカ(▲6六角▲6七歩型)が流行している昨今ですが、併せてミレニアム(▲6六歩▲6七金型)も時折見かけるようになりました。以前に何度かやられた打開を再び食らってしまい相当悪くなって下図。

▲6四同角△同金▲5三歩成△同角▲7三銀△7一玉

角を切って銀を打ちに行く順はひと目で見えるところですが、玉を落ちてみると案外はっきりしない感じ。形勢自体はまだ居飛車が良いでしょうが、泥試合となって最後は逆転できました。戻って最初の図では▲1一角成としておくぐらいでもはっきり居飛車が良かったようです。

・2局目
後手番で角交換の相振り飛車。
左右反転の角換わりとして見るとありそうでない将棋。先手が8筋で銀交換を果たして下図。

△6九角▲5六角△5五銀▲3四角△4九銀

3筋4筋方面を見ると典型的な「歩越し銀には歩で対抗」の図で作戦負け気味したが、8筋での銀交換~△6九角と打って局面がほぐれてくるとなかなか大変なようです。手順中▲5六角は攻防ですが、▲8三角成の順は△8七歩から角を取り合った後に△5八銀があるので後手良し。以下は飛車をいじめつつ逆サイドから攻めて快勝でした。

・3局目
先手番で角交換振り飛車。
力戦から無理っぽい仕掛けを通して少し良い程度で進み下図。

▲6八同金△8七飛成▲5八金左△6三歩▲9八角△8二龍▲8三歩△6二龍▲6四飛△同歩▲4五銀

この手順はお互い相当にメチャクチャで、▲9八角には△8四龍としておけば後続の攻めは難しく、▲8三歩にも△同龍と取っておけば特に何もありません。最後の▲4五銀は取れば△5四角で王手金取りですが、金を回収した後の働きが悪くまだ大変なところがありました。実戦は△4三金引だったので駒をペタペタ貼って辛勝。

・4局目
後手番で△四間飛車▲天守閣美濃。
通常より得な分かれになり優勢になるも最善を逃した感触が三度ぐらいあり、最終盤を迎えたのが下図。

△6四銀上▲同桂△同角▲同角成△8二香▲8四歩

先に△8四銀と打っておけばそれまででしたが、香車を打てば詰みと選んだ本譜が唯一の負け筋。馬の利きが8二に通ったことで▲9三玉に対する王手がありません。仕方がないので▲8四歩に△同銀として馬を除去するも駒不足は明白で、以下いろいろと頑張るも負け。これ結構なファンタじゃないですか?

・5局目
後手番で△四間飛車▲人間版elmo急戦。
一度は出るかと思っていた戦型が最後に登場。ただし▲5九金型で▲4六銀と出る指し方はelmoの実戦にはなく、人間界のアレンジによって生まれたもの。個人的にはあまり良い組み合わせと思えないところがあります。

△同歩▲同銀△1五角▲3六歩△3四歩▲4四銀△同銀▲同角△4二飛▲1一角成 △5九角成

▲同銀△4七飛成▲2一馬△4九龍▲6八銀打△4七歩▲2二馬

この手順自体は相当粗く最善とはとても言えないものですが、角を切って飛車を成り歩を垂らすという流れは雰囲気が出ていると思います。さてこの局面でどうするか。第一感は△3八金、それだと勿体無いので△3九銀を読み、結局選んだのは△4八銀。しかしこれが悪い手で▲6九金以下攻め切れずに負け。まずまずと思ったところからはっきり良くすることができなかったので実に残念な結果でした。

ところで先程の図は本当に良かったのでしょうか。少しソフトの力を借りてみることにしましょう。

将棋ソフトをAWSで動かす方法を解説!!ノートPCでも毎秒2000万局面の検討が可能に!! – みくにまるのブログ
https://www.mikunimaru.com/entry/ShogiAWS

最近使うようになりましたが結構便利です。ネット回線さえあれば貧弱旧モデルPCでもいい感じに動くのがありがたいですね。で、この局面を検討させたところ

△3九銀で振飛車+280。更に数手進めるとすぐに+500ぐらいに達しました。振り飛車良しという感覚そのものは大きく誤ってはいなかったものの、このコースを選ぶしかなかったようです。(それはそうと16351kN/secとは結構な数字ですね。うちのスマホの70~100倍に相当します)


ということで個人3-2、既報の通りチームは4-1でした。

???「最後の2つどっちか勝ってたらチーム優勝だったらしいよ。」

( ^ω^)・・・・・・

( ^ω^ )ま、そういうこともあるよNE!

お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

・おまけ
翌日一日フリーになったので旨いものを食べました。

銀座店 | 花山うどん公式サイト
http://www.hanayamaudon.co.jp/ginza/

群馬館林の幅が広いうどんが食べられるお店。埼玉~群馬にかけて幅広うどん文化圏が存在するという話を以前チャットで聞いたことがあり(皆忘れているでしょうが…)平麺Loverとしても一度食べてみたいと思っていました。幅4センチほどのラザニアのようなうどんは喉全体を軽く押し広げるように通っていき、甘めの出汁と併せて小麦の味を堪能できます。

メキシコ料理の店 ラ・カシータ
http://www.lacasita.co.jp/

日本メキシコ料理界の第一人者のお店。日本あるメキシコ料理はアメリカナイズされたものが大半である故に、メキシコ本来のものを追求されているとのこと。色々といただきましたがトルティージャ(タコスの皮)とメキシカンライスが筆舌に尽くし難い絶品でした。メキシコ料理は海の幸・山の幸・辛いもの辛くないもの多種多様な唐辛子など構成する要素が多く、一回だけではとても味わいきれません。誰かまた一緒に行きませんか。

電子版週刊将棋

先日、週刊将棋が休刊となることが発表されましたね。

雨宮編集長のコゴト@休刊のお知らせ
https://book.mynavi.jp/shogi/blog/detail/id=44112

私も数年前に講座目的で購入していた時期がありましたが、
最寄りのローソンがなくなった時期と重なったこともあり長続きしませんでした。

しかし時は流れ、今は電子版週刊将棋というものがあり便利になっています。

週刊将棋 | マイナビブックス
https://book.mynavi.jp/ec/products/contents_type=30

以前は外部のサービスに委託する形だったため、独自アプリをインストールした上で
その中でしか使えないというお世辞にも使い勝手の良いとは言えないものでしたが、
こちらではマイナビ本家が提供しているpdfダウンロード版なのでそれなりの使いやすさが期待できます。

この度この電子版週刊将棋を購入したので、どのようなものであるかを簡単に紹介したいと思います。

続きを読む

広島の話2015

昨年に引き続き、今年も升田幸三杯将棋大会に参加してきました。
そこで指した将棋を簡単に振り返りたいと思います。

【1局目】
広島で名の通っているベテラン強豪の方と早速当たりました。
少し前よりある筋から勧められて四間飛車を指していますが、
さすがにここは一発入れるためにも普通に居飛車で挑むことにしました。

2015-09-05a

△4→3戦法相手に馬を作って対抗した将棋の中盤戦。
一時はまずくした将棋でしたが、ここは割とヨリが戻っている感じがします。
▲5七歩から駒損を取り戻すぐらいで難しかったというのが感想戦での結論。

実戦は▲9五歩△同歩▲9七歩△同香▲6四歩△同金▲9四歩と端を攻めました。
△9四同香▲同馬△8五銀▲9五馬△9四歩▲8五馬△同角▲7六銀

2015-09-05b

この銀が手厚いので馬を殺されてもやれると踏んでいたのですが、
△7六同角▲同銀△6五銀と絡まれてよく分からない感じに。
そこでまだしも▲3二角と打てば難しいところがあったと思われますが、
千日手含みの▲7七銀が敗着。△5四角と進んでみると全然駄目で呆れました。

2015-09-05c

さすがにここからははっきり負け。

【2局目】
知ってる人は知っている小学生強豪(小2)が相手。
前日にチャットに「この子に勝つのを目標にします。」などと適当な事を書いたところ
本当に当たってしまいました。

2015-09-05d

将棋は△四間飛車対▲居飛穴に。
見ての通り振り飛車側がかなり得をした序盤戦で、図の局面は早くも振り飛車優勢。
終盤かなりヨレまくったものの、元があまりに大差過ぎて大勢に影響なし。

余談ですが、彼に限らず少年には対振りに棒銀をやって欲しいと思っています。
押し引きや自陣の手の入れ方を身に付けるのによいというのがその理由。

【3局目】
広島で代表を何度も取っている方と。

2015-09-05e

普通の△四間飛車対▲居飛穴模様ですが、ここで▲6六歩ではなく▲9九玉。
ネットでは極稀にやられる指し方ですが、まさかリアルでやられるとは思いませんでした。
△4五歩としても結局▲6六歩か角交換になるので通常型となるのですが、今回は△6五桂。

2015-09-05f

長い序盤戦を経て図の局面。
「狙った局面にならなかった」とのことで、ここでは振り飛車が十分になっています。
△8四歩とでもしておくのが自然でしたが、実戦は△2二飛。あまり良くなかった。

2015-09-05g

もう少し進みこんな感じ。
次の一手を完全に見落としており、ここからは粘ることも出来ず負け。

【4局目】
年配の方が相手。
▲四間飛車対△右銀急戦になると思いきや、一度出た銀を玉側に戻していき持久戦に。

2015-09-05h

上図から▲4八角△8二飛▲7四飛△8六歩▲9三角成

2015-09-05i

お疲れ様でした。
さすがに作戦に無理があったようです。

【5局目】
鳥取の強豪と。お名前を何度か拝見している方なので、楽しみにした相手の一人。
将棋はオーソドックスな▲四間飛車対△居飛穴に。

2015-09-05j

序盤早々に勘違いがあり、予定していた作戦とは違った形になっています。
まだ具体的に形勢に差は付いていないものの、既に面白くない展開だと思っていました。

ここで▲7八飛と浮いたのが疑問手。△7三桂と跳ねる手が間に合って居飛車ペース。
指しにくくても▲7六歩はあったところで、△8四角▲6九飛で千日手模様でした。

2015-09-05k

進んで上図、ここで▲8七同飛△3二飛に△6九角を防いで▲8六飛と辛抱しましたが、
それでも△6九角と打たれる手がじわっと利いてくる手で居飛車が良くなりました。

感想戦では強く▲8二歩成△8八と▲7一飛と強く攻め合われる方が実戦的に嫌とのことで
まだしもそちらを選ぶべきでしたが、改めて見ても桂を跳ねているのが大きくやや悪そう。
やはり元の設定があまり良くなかったのではという気がします。

(追記)
更に改めて見ると、飛車を取り合った局面は振り飛車がやれてそうですか。
一段目に飛車を下ろしても▲2四歩だけでは△4二銀で崩れないと思い見送ったのですが、
▲3二歩~▲4一角も絡めると受けが利きません。まだまだですねえ。。。

———-

本来ならば6局目も組まれるところですが、手がいないようで5局で終了となりました。
全体的に「振り飛車のこころ」が分かっていないという印象。まだまだですねえ。

らっきぃまん。

【5月28日】
名人戦第5局をネット観戦。

「矢倉かあ。もう一局角換わり腰掛け銀見たいな~。行方頑張れー。」
「あ、藤井流やないか。これうざいからもうええわ。」

恒例の封じ手予想の応募。
「藤井流は謎の多い戦型なので、そのまま定跡となるような名局を期待します。」
(意訳:羽生ちゃん藤井流ぶっ潰しちゃって~。)

【5月29日】
meijinsen1

(・3・)あるぇー。

将棋の方は前局に続き羽生ちゃんが悪い将棋を逆って勝利。

【6月11日】
時は流れ、次期順位戦もとっくに開幕しちゃって、名人戦なんてすっかり忘れちゃった頃。

meijinsen2

( ̄ε ̄〃)b

というわけでそのブツが今日届いたというわけです。

meijinsen3

meijinsen4

記念扇子でしたー。
直筆とかではなくて一般に売ってるやつです。
今使ってる杉本先生のが駄目になったら使おうかしら。

おわり。

勝負術

随分ご無沙汰しておりました。
かなり忙しくしているメンバーもいるようですが、私は相変わらず指し続けております。

さて今回は、先日神戸で行われた西日本支部対抗戦で観戦した将棋から。
3人団体戦の決勝、オーダー的にここを取った側が勝つであろうという勝負どころのカード。

矢倉対右四間から先手が▲5八飛と少し珍しい対抗策を採って図の局面。
歩損で角を押さえこまれている後手が、細い攻めをいかに続けられるかという将棋ですね。

2015-04-28a

▲6四歩は△8七金▲8三歩△同飛▲8四歩で△6三飛と回る手を消しつつ、
と金作りをみた一石二鳥の手。
△6二歩と受けるのでは攻めが続かなくなるので、ここで後手が勝負手を放ちます。

△6二金!

2015-04-28b

▲7一銀が見えているので指しにくい手ですが、
働きの悪い6一の金と交換になれば攻めが厚くなるのでやれるという驚きの大局観。
実戦も▲7一銀を選ばず▲7七銀と攻め駒を消しに行く手を選びました。(※1)

更に数手進んだ局面が下図。

2015-04-28c

ここから
▲9三角成(※2)△同香▲6四飛△6二歩

2015-04-28d

▲7一銀△9二飛▲8四飛

2015-04-28e

と進みます。
歩切れで飛車成りが受けにくく先手優勢を思わせる局面ですが、
ここで後手に素晴らしい切り返しがありました。

△5五角!

2015-04-28f

なんとタダ捨てがありました。
△5七角の王手飛車があるので、この角は取れません。

よって▲8一飛成としますが、△9一飛と遊んでいる飛車も捌きにでます。
これを取るのも損なので▲7二龍と逃げますが、決め手があります。

△9四角!

2015-04-28g

好点の角打ちで一気に決まりました。
どこに龍が逃げても△7六歩、もしくは△7七角成~△7六歩が厳しすぎます。

実戦は以下▲5五銀△7二角▲8二銀成△7六歩▲7八金△4五角と進み、
そのまま後手が攻め切って勝ちとなりました。

戻って第5図の▲8四飛では▲8三金と打つ手が優りました。

2015-04-28h

実に筋の悪い金打ちですが、飛車を奪って攻めるのが早いようです。

相居飛車系の将棋では時折現れる手段ですが、
筋の良さそうな▲8四飛がまずく、いかにも打ちにくい▲8三金が正解というのは
将棋の奥深さを物語っているという感じがしますね。

この後手の方はTwitterで有名なこいなぎ氏。
素晴らしい切れ味でチームの優勝を決めました。

※1
もっとも私見では▲7一銀と打ち、△7二飛に▲7七歩と打つ手もあったと思います。
良し悪しは微妙なところですが。

※2
後に知人と検討した際には▲7八金打とするのも有力という意見が出ました。
実戦の角切りは決めに出た手ですが、逆転のアヤが生じやすい側面もありました。